第 41 回 (2006-06-17 開催)

湊 小太郎 先生 紀ノ岡 正博 先生 櫛引 俊宏 先生


世話人: 大城 理 氏
参加者: 45 名

講演内容

湊 小太郎 先生 (奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科・教授)

「生命機能計測学アラカルト」
奈良先端科学技術大学院大学・情報科学研究科・生命機能計測学講座は,H14年度に情報生命科学専攻の新設に伴って,情報処理と計測技術で情報科学とバイオサイエンスを橋渡しする役割を担う分野として設置された.今回は私どもの研究室で現在取り組んでいるバイオイメージングとメディカルイメージングに関する若干の研究テーマ,例えば,1)光ピンセットと遠隔細胞触診2)近接場光と細胞内アクチンフィラメント構造計測3)MR顕微鏡による拡散テンソル画像4)変形シミュレーションと大動脈弓触診5)ボリュームインタラクションと肺手術術前計画支援などについて簡単に紹介する.

紀ノ岡 正博 先生 (大阪大学 大学院基礎工学研究科物質創成専攻化学工学領域)

「移植を前提とした培養組織に対する製造工程および品質の評価」
概要:培養組織を移植に使用する治療が多くなされてきた.日本においても,本医療技術を企業化し,培養組織を生産する試みがなされており,商品化までもう一歩となってきた.しかし,製造工程および品質の評価についての工学的な概念構築は依然未熟であり,今後,より一層の努力が必要である.ここでは,組織培養の事例および品質評価方法について,私たちの取り組みを中心に紹介する.

櫛引 俊宏 先生 (大阪大学 大学院工学研究科環境・エネルギー工学専攻)

「遺伝子治療のための非ウィルス性ドラッグデリバリーシステム(DDS)製剤のデザインと特性評価」
本発表では,plasmid DNAなどの遺伝子発現を高めるためのゼラチンからなる非ウィルス性のドラッグデリバリーシステム(DDS)に関する研究成果を報告する.生体吸収性のカチオン化ゼラチンおよびそれからなるハイドロゲルを作製し,その物理化学的性質およびplasmid DNAとの複合体形成特性について報告する.さらに,動物疾患モデルを用いたそれらのDDS製剤としてのplasmid DNA遺伝子治療特性を報告する.