第 61 回 (2011-6-25 開催)
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南川 丈夫 先生 | 平田 雅之 先生 | 杉町 勝 先生 |
世話人: 八木 哲也 先生
参加者: 77 名
講演内容
南川 丈夫 先生 (京都府立医科大学)
「非線形ラマン顕微鏡によるバイオイメージング」医学・生物学分野において,光学顕微鏡は細胞・組織の形態観察,時には分子の構造・分布の時空間発展を得る手法として広く用いられている.特に近年,試料に染色や固定といった特殊な処理を行うこと無く分子分布や構造の時空間発展を計測することができるラマン顕微鏡が開発され,さらに非線形光学と組み合わせることで1画像毎秒以上の高速イメージングも実現されてきている.本講演では,我々が行って来た非線形ラマン顕微鏡の開発とそのバイオイメージングへの応用を中心に紹介し,現在と今後の「光学顕微鏡」について考えたい.
平田 雅之先生 (大阪大学 医学系研究科)
「脳表脳波を用いたブレイン・マシン・インターフェースによる脳機能再建」ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)とは脳信号から意図を読み取り、ロボットなどの外部機器を思い通りに制御する技術であり、重症身体障害者に対して機能支援を行う手法として期待されている。我々は、多極電極を直接脳表面におくことにより、リアルタイムロボット制御など、高性能のBMIを開発しており、本講演ではこれまでの研究成果を紹介する。
杉町 勝 先生 (国立循環器センター)
「生体制御への介入による疾患治療の可能性」慢性心不全は心機能の低下に起因するが、その進行とともに生体制御破綻が主役となる。血圧調節系(圧反射系)の異常に伴う迷走神経活動消退を電気刺激により是正することにより、交感神経系抑制による薬物治療を超える予後改善が動物実験で得られた。一方、急性心不全の救命には複数の血行動態変数を迅速に正常化するため、多薬剤の投与量を同時に迅速安定に決定する自動制御治療が必要である。本講演ではこれらの開発について述べる。